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オフィスの移転やリニューアルなどで、レイアウトを変更したい方も多いのではないでしょうか。近年、働き方の変化に伴い、オフィスのレイアウトも多様化してきました。
従業員にとって快適で機能的な空間であれば、業務パフォーマンスが向上し、生産性も高められるでしょう。
このコラムでは、レイアウトの種類や、押さえておくべきポイントなども併せて紹介します。
オフィスレイアウトの種類
オフィスでは1人ひとりがデスクで仕事する場合が多く、レイアウトによって、従業員の生産性が大きく変わります。レイアウトによってそれぞれ特性があるので、どのようなオフィスにしたいかよく考えた上で、配置を決めましょう。
デスク配置の種類
ここでは、デスク配置のレイアウトを7つ詳しく解説します。
対向型レイアウト
多くのオフィスで採用されているレイアウトです。デスクを向かい合わせて小さな島を作る配置で、島型レイアウトとも呼ばれています。
メリット
・省スペースで部署やグループごとに配置できる
・従業員同士のコミュニケーションが取りやすい
デメリット
・従業員のプライバシー性が低い
・集中する環境が作りにくい
同向型レイアウト
同向型レイアウトとは、全てのデスクを同じ方向に向けて配置するレイアウトのことです。セミナーや学校を連想させることから、スクール型とも呼ばれています。
個人のデスクワークが中心となる銀行や電話業務などに用いられます。
メリット
・プライバシー性とコミュニケーションの取りやすさが、ある程度両立できる
・個人の業務に集中しやすい
デメリット
・スペース効率が悪い
・部署全体でのコミュニケーションが取りにくい
左右対向型レイアウト
左右対向型レイアウトとは、隣り合ったデスクを左右逆行させて配置するレイアウトです。
個人で作業することが多い職種のオフィスに向いています。
メリット
・プライバシー性が高い
・キャビネットやテーブルなどを挟んで配置すれば、収納量や作業スペースが増える
デメリット
・コミュニケーションが取りにくい
卍型レイアウト
4台のデスクを、卍型に配置するレイアウトです。デスク同士は隣り合っていますが、視線が合いにくく、集中する環境を作れます。
メリット
・視線が合いにくいことで、ある程度のプライバシー性は保たれる
・デスクが隣り合っているので、コミュニケーションが取りやすい
デメリット
・スペース効率が悪い
・レイアウトの自由度が低い
リンク型レイアウト
リンク型レイアウトとは、120度のデスクを3台使用して配置するレイアウトのことです。
その見た目から、ブーメラン型とも呼ばれています。作業スペースが広く、様々なワークスタイルに対応できます。
メリット
・視線が合いにくく集中できる上に対人距離を取りやすい
・複数のモニターが設置しやすい
デメリット
・スペース効率が悪い
ベンゼン・背面型レイアウト
ひとつのグループのデスクを、背中合わせにして配置するレイアウトです。前面をパーティションなどで仕切れば、プライバシー性が高くなります。主に、グループで作業する場合に向いています。
メリット
・振り返れば他の従業員とコミュニケーションが取れる
・集中して作業できる
・省スペースになる
デメリット
・グループを超えたコミュニケーションが取りにくい
ブース型レイアウト
ブース型レイアウトは、席と席の間をパーティションで区切ったり、個人ブース席を配置したりするレイアウトのことです。近年、取り入れる企業が増えており、さまざまな種類の個人ブースが販売されています。作業のほとんどを一人で行うクリエイティブな職種などに向いています。
メリット
・視線や音が入りにくいので、一人で集中して作業できる
デメリット
・コミュニケーションが取りにくい
・設置する費用がかかる
・スペース効率が悪い
オフィスのレイアウトを変更するときの進め方
オフィスレイアウトを変更する前に、進め方を確認しておきましょう。きちんと順を追って進めれば理想のレイアウトを作ることができるので、参考にしてみてください。
目的を決める
まずは、オフィスのレイアウトを変更する目的を決めましょう。目的を設定することは、計画を進める上で非常に重要です。
オフィスのレイアウトを変更したい理由や、現状の問題点を考えます。そして、どのようなオフィスにしたいかを決めていきます。
例えば、作業に集中できる環境を作りたい、増員に対応したオフィスにしたい、などです。もし複数の目的がある場合は、優先順位をつけましょう。
ゾーニングの実施
オフィスレイアウトにおけるゾーニングとは、オフィス内のスペースを用途や機能ごとに分け、目的の関連性に合わせて、配置を決めることです。まずは、スペースごとの役割や目的を把握してから、作業に取り掛かります。
また、セキュリティ対策もしっかり行いましょう。オフィスには、従業員の他にも社外の方が出入りする機会があるため、セキュリティにレベルを設定し、レベルに応じて入室を制限するなどの対策が大事です。
必要なスペースの確保
レイアウトを考える際には、必要なスペースをきちんと確保しましょう。例えば、動線計画や寸法計画などです。
動線計画は、人が動く経路を設計することです。例えば、多くの人が使用する場所は、オフィスの中でもアクセスしやすい場所に設置するなどします。寸法計画は、家具と壁の間や、家具と家具の間などの通路幅を確保することです。
これらは、オフィスの快適性に繋がる重要な要素なので、しっかりと検討しましょう。
レイアウト案の作成
設定した目的を念頭におき、レイアウトを作成します。ゾーニングや必要なスペースを考慮しながら、会議室や業務スペース、フリースペースなどを配置していきます。電気、空調、給排水設備なども考慮する必要があります。
おおまかなレイアウトを配置したら、優先順位や細かいポイントも書き込んでおくと、共有できて便利です。
スケジュール調整
オフィスのレイアウトの変更案が決まったら、スケジュール調整をします。スケジュールは、しっかりと検討して調整しましょう。作業に遅れが出ると、他の業務にも支障が出る場合があるので、注意が必要です。
タスクを全て洗い出し、漏れのないように計画を立てます。レイアウトを変更するには、社内の協力が必要不可欠です。特に、事前準備は従業員の理解と協力が必要となるので、全員がわかりやすいようにタスクを共有しましょう。
レイアウト変更の実施
レイアウトを変更する当日は、各自で段取りよく動き、事前準備をしっかりしておくことが成功の鍵です。
不要な物を段ボールに詰めて、使わない部屋に置いておいたり、物を動かしやすいよう台車に乗せておいたりすると、スムーズに作業ができます。
物を動かす時は、大きい物からがお薦めです。小さい物はいつでも動かせますが、大きい物は後から動かそうとしても、通路幅が狭くなって動かせないことがあります。順番を間違わないよう、物を動かす時の手順もしっかり共有しておきましょう。
レイアウト変更の際に押さえておくべきポイント
レイアウトを変更する際には、押さえておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、特に重要な3つのポイントを紹介します。
コンセプトに基づいて実施する
オフィスのレイアウトを変更する際には、企業ブランディング向上のため、コンセプトに基づいてレイアウトを実施することがポイントです。
従業員同士のコミュニケーションを大切にしたい、自社の商品をインテリアに取り入れたい、集中して作業できるオフィスにしたい、など企業によってコンセプトは違います。職種や働き方などを考慮してレイアウトのコンセプトを決めましょう。
従業員が使いやすいレイアウトにする
オフィスのレイアウトは、デザイン性だけではなく、従業員が働きやすいことが大事です。
快適なオフィスで作業することにより、ストレスが軽減し、生産性も上がります。
個人ブースで集中して作業できる、フリーデスク制を採用したため、好きなデスクで作業できる、仕事の合間に休憩できるカフェスペースがある、など従業員が快適に仕事ができるよう工夫しましょう。
また、木の家具や植物を取り入れると、リラックス効果があるのでお薦めです。多くの企業が「オフィス内緑化」を取り入れています。
収納家具を活用する
収納家具を上手に活用することをお薦めします。乱雑なオフィスでは作業は捗らず、書類や備品が見つかりにくく、ストレスの原因になりかねません。
物の所在をきちんと明確にして、従業員全員が取り出しやすく、戻しやすい収納を心がけましょう。収納方法やルールはシンプルにするとなお良いです。
まとめ
このコラムでは、オフィスのレイアウト変更について解説しました。レイアウトを変更する際には、きちんとした計画とコンセプトに基づいて実施することが大事です。
また、従業員が快適に仕事ができることが大前提のため、働き方や従業員の意見などを考慮して備品や家具を選びましょう。
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