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建設業界における長時間労働の原因とは?対策方法やおすすめグッズを徹底解説!

建設業界における長時間労働の原因とは?対策方法やおすすめグッズを徹底解説!

建設業界と言えば、長時間労働や休みが少ないなどの厳しい労働環境をイメージする方も多いのではないでしょうか。2024年4月から、建設業界においても時間外労働の上限規制が適用され、長時間労働への対策が必要不可欠となります。このコラムでは、建設業の長時間労働の原因と対策方法について解説していきます。

建設業界で長時間労働が問題となる原因

建設業界において長時間労働が問題視されています。長時間労働になる主な原因は以下です。

・人手不足
・残業・時間外労働が多い
・休日が少ない

詳しく見ていきましょう。

人手不足

建設業は人材が高齢化していることもあり、慢性的な人手不足になっています。数年後には、60歳以上の方が多く退職してしまい、今まで以上に人手不足が深刻になると言われています。

若い世代の雇用や育成に力を入れたいところですが、通常業務が忙しいため、なかなか手が回らず悪循環になっているケースもあります。また、建設業界は激務であるというイメージから、若い世代が建設業界を敬遠していることも人手不足の原因に繋がっています。

残業・時間外労働が多い

国土交通省が発表した「最近の建設業を巡る状況について」によると、建設業は他の産業と比べて、労働時間が長いという課題を抱えています。年間の労働時間が製造業と比べて約100時間、全産業と比べると約340時間も長いことが分かっています。

建設業は、就業時間前にメールや図面チェック、就業時間後に材料の発注や施工図の作成、工程の調整を行うなど、通常業務とは別の時間外業務が多くあります。また、顧客からの急な要望などもあり、それらに対応すると時間外労働が多くなり、労働時間が長くなるのです。

休日が少ない

国土交通省は2024年からの時間外労働の上限規制のために、原則として全ての直轄工事では発注者指定型の週休2日を推奨しています。しかし、建設業で働く作業員の約4割が週休1日以下で働いているのが現状です。

建設業では厳しい工期設定が多く、短納期の発注に追われることがあります。さらに猛暑日、降雨日、降雪日など天候の影響で作業が遅れると、休日を返上して働かなければならないため、結果として休日が少なくなってしまいます。

建設業の2024年問題とは?

働き方改革関連法が2019年に施行されました。建設業は人手不足、長時間労働、休日出勤などの問題をすぐに解決するのが難しいとされ、時間外労働の上限規制の適用まで5年間の猶予期間が与えられました。

そしていよいよ、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用となります。それによって、建設業の人手不足の加速や人件費などのコスト増大の問題が発生するとされています。

そもそも「働き方改革」とは?

働き方改革とは、働く人々がそれぞれの事情に応じた、多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革で、「一億総活躍社会」に向けた取り組みでもあります。

働き方改革は、労働時間の是正、正規従業員・非正規従業員の格差解消、多様な働き方の実現を主に労働者が働きやすい社会を目指しています。

働き方改革は、政府が主導の国全体の取り組みとして、2018年6月に成立、2019年4月に「働き方改革関連法」が施行されました。

建設業でも時間外労働の上限規制が適用

働き方改革関連法が施行された後も、建設業においては一般とは異なる様式の36協定を結び、届出があれば時間外労働の上限がありませんでした。

しかし、2024年4月からは建設業も時間外労働の上限規制が適用され、以下のようになります。違反した場合は、罰則が科せられるため対策が必要です。

〈原則〉
・時間外労働の上限は月45時間以内かつ年360時間以内

繁忙期など、上限を超えて時間外労働が必要な場合は、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)を締結し、所轄の労働基準監督署長へ届出を出すことで特別条項が適用されます。

〈特別条項が適用される場合〉
・時間外労働が年720時間(月平均60時間)
・時間外労働が720時間の範囲内で、2~6ヶ月の平均で80時間以内
・時間外労働が720時間の範囲内で、月100時間未満(休日労働も含む)
・時間外労働が720時間の範囲内で、月45時間を超えられるのは年6回

災害からの復旧、復興の場合は上記の2〜6カ月の平均で80時間以内、月100時間未満(休日労働を含む)は適用されません。

建設業界における基本の長時間労働対策7選

建設業においても時間外労働の上限規制が適用されるため、働き方を見直し、長時間労働に対する対策が必要です。

適切な工期の設定

建設業は工期設定が厳しいものが多く、作業員の負担を大きくしています。長時間労働を防ぐためには、工期設定を見直す必要があります。

国土交通省の「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」では、発注者と受注者の両方に工期設定と施工時期を平準化するように示されています。

工事の準備や、片付けの時間、天候によって作業できない日のことも考え、余裕を持った工期の設定を心がけましょう。

週休2日制の導入

時間外労働の上限規制が適用されても、週休2日制が義務化されるわけではありません。

しかし、週休2日制を導入することで、労働者の長時間労働や時間外労働を防ぎ、休息時間を増やすことが可能です。リフレッシュすることができ、仕事へのモチベーション向上や、業務効率の向上に繋がります。

また、他の業界と同じ週休2日制になれば企業としてもクリーンなイメージになり、若手の人材確保にも繫がります。

社会保険への加入

社会保険とは病気や怪我、失業したときなどのための公的な保険制度であり、一定条件を満たす場合、社会保険に加入する必要があります。

社会保険に加入する場合、会社にも費用が掛かるため、コスト削減で社会保険に加入していない会社があります。作業員への社会保険の加入を基本とすることで、作業員は安心して働くことができます。

工事や施工は社会保険加入業者にしか発注できないようにする、社会保険未加入の会社は、建設業の許可や更新を認めない仕組みを構築していくなど、社会保険の加入を徹底する取り組みが今後必要となるでしょう。

業務のDX化

業務のDX化とは、デジタル技術を使って業務を効率化することです。設計図や図面をデータ化することで、遠隔指示ができたり、情報共有がスムーズになったり、作業にかかる時間を削減できます。

また、計測や発注などの面でもデジタル技術を使うことで、誤差や計算ミスや発注漏れを防ぐことができ、作業効率が上がるため、時間外労働の削減に繋がります。

建設現場のIoT化

loT化とはさまざまな物を、ネットワークに接続してデータの取得や情報交換をする仕組みのことです。

建設現場のloT化では、機材や資材、重機、作業員のヘルメットや安全帯をネットワークに接続します。高所での作業を機械に任せて、現場監督がモニターで監視し、データで確認や対応ができると作業員の負担が軽減し、労働時間を削減できます。

また、機械やヘルメット、安全帯などにセンサーを取り付けることで、労働災害を防ぎ作業員の安全確保にも繋がります。

建設現場に合わせた勤怠管理システムの導入

建設業は、勤務形態や勤務場所がさまざまで、勤怠管理が難しいという問題点があります。
自己申告制の勤怠管理では、時間外労働や長時間労働になりやすい傾向があります。

スマホやタブレットで勤怠管理ができるシステムを導入すると、勤務場所を選ばずに利用でき、曖昧になりがちな勤務時間をしっかりと管理できます。さらに残業時間の上限を知らせたり、シフトの管理をサポートする機能があるシステムを導入するとスムーズになります。

長時間労働対策グッズ・熱中症対策グッズの導入

夏の長時間労働や熱中症は特に作業員の健康に大きく影響するため、対策が必要です。水分や塩分補給を徹底し、作業環境を見直しましょう。また、健康管理シートを活用して、作業員の健康状態を把握することも大切です。

直射日光をできるだけ避け、日差しが強い時間は、日陰や屋根のある場所や風通しの良い場所へ移動しながら作業を行います。作業着も吸湿速乾機能があるものを選びましょう。

また、ヘルメットに貼る遮熱シートやミストファンなどのグッズを導入し、熱中症リスクを下げることも大切です。

長時間労働対策におすすめのグッズ

長時間労働は身体への負担が大きくなります。さまざまなグッズを使用して、身体の負担を軽減し、作業効率の向上に繋げましょう。

コンプレッションウェア

コンプレッションウェアとは、筋肉に適度な圧をかけることで身体への負荷を軽減し、身体にさまざまなサポート効果をもたらすウェアであり、着圧ウェアとも呼ばれています。

コンプレッションウェアを着ると着圧によって、血流が良くなり疲労回復しやすくなります。また着圧が、テーピングと同じような役割をして怪我の防止にもなります。

吸湿性や速乾性に優れた素材のものもあるため、汗を吸収し、蒸れやべたつきを軽減して着心地の良さを持続してくれます。

ヘルメットインナー

ヘルメットインナーとは、ヘルメットの下に着用する薄いインナーキャップのことです。ヘルメットインナーは、ヘルメットの下に着用するために作られているので、伸縮性があり、通気性に優れた生地で頭にフィットするように作られています。

ヘルメットインナーは、夏は汗による蒸れを防ぎ、冬は防寒にもなります。またヘルメットインナーを着用すると、ヘルメットに直接頭が触れないので匂いや汚れを防止し清潔に保つことが可能です。

ファン付き作業着

ファン付き作業着とは、バッテリーによって動く小型のファンが内蔵された作業着のことです。

ファンを作動させることで、外気を身体と作業着の間に流します。作業着の中で熱がこもらず、汗が蒸発するときの気化熱を利用して、身体を冷やして涼しく快適にできます。

さらに、ポリエステルなどの撥水効果のあるファン付きの作業服を選ぶと、天候が悪い日も安心して使用できます。暑さによるストレスを軽減して作業効率の低下を防ぎ、エアコンがない作業現場での熱中症対策や、汗を蒸発させることで汗疹予防にもなります。

アイスベスト

アイスベストとはベストの脇や背中部分にポケットがあり、そこに専用の保冷剤を入れて身体を冷やすウェアのことです。ベストタイプのため、普段の作業着の下に着用できます。

アイスベストは脇や背中などの太い血管を冷やすことで、効率良く身体を冷やせます。しっかり冷やして発熱を予防できると、熱中症対策になります。

アイスベストは粉塵や火気を扱う場所など、どこでも使用できるのが魅力です。充電する手間もなく、予備の保冷剤を準備しておくと外気温にもよりますが、おおよそ1日使用できます。

大型扇風機

大型扇風機は一般的な家庭用扇風機よりも羽根のサイズが大きく、大量に風を広範囲に送れます。人に風が当たると気化熱が体温を下げてくれるため、熱中症対策として有効的です。

大型扇風機の中には、場所を選ばずに使用できる充電式のタイプや、熱中症対策として効果的なミスト機能がついたタイプのものもあります。

まとめ

建設業界の長時間労働の原因と対策について解説しました。2024年4月からは時間外労働の上限規制が適用され、違反すると罰則が科せられるため注意が必要です。

長時間労働は身体に大きな負担となります。負担を軽減できるグッズを使い作業効率を上げて、作業時間を短縮できるようにしましょう。

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