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工事現場における安全対策とは?事故を防ぐ方法とおすすめグッズを徹底解説!

工事現場における安全対策とは?事故を防ぐ方法とおすすめグッズを徹底解説!

工事現場では、多くの重機が行き交い、さまざまな重量物を取り扱っています。そのため、ちょっとした気の緩みから事故に繋がるリスクも高く、毎年数多くの事故が発生しています。工事現場で事故を防止するには、日頃の安全対策が欠かせません。

工事現場の事故防止に努めたいものの「どのような安全対策を行えば良いのだろう」と悩む方も多いでしょう。

このコラムでは、工事現場における安全対策や事故を防ぐ方法を解説します。おすすめの安全対策グッズについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

工事現場における事故の例

工事現場における事故といっても、要因や発生状況はさまざまです。

ここでは、工事現場における事故の例を紹介します。事故の例を知ることで、今後同様の事故が発生しないよう、作業手順の改善やルールの改正といった安全性の見直しが図れます。

墜落・転落・転倒

工事現場でもっとも多い死亡事故は、墜落・転落です。

実際に、7階建ての建物の塗装作業中に足を踏み外して墜落したり、フォークリフトで持ち上げた作業台が転落したりといった事故事例があります。高所からの墜落や転落は、衝撃が大きいため、死亡事故が発生するリスクも高まります。

また、転倒は死傷者数がもっとも多い事故です。具体例として、荷卸作業中にクレーンが転倒し、運転者が負傷した事故が発生しています。転倒事故も、場合によっては死亡事故に繋がる可能性もあります。

崩壊・倒壊

建設中の建物や足場の崩壊、解体作業中における壁の倒壊といった事故も、工事現場で多発しています。

崩壊・倒壊は、対象物が不安定な場合に発生するだけでなく、大雨や台風といった自然災害が起因となる場合も少なくありません。

実際に、大雨警報が発令される程の降雨があった現場において、掘削した法面(のりめん)が崩壊し、作業員が生埋めになった事故がありました。

崩壊・倒壊の事故は、作業員だけでなく、たまたま近くを歩いていた歩行者を巻き込む危険性もあります。

飛来・落下

工事現場には、作業で使用するさまざまな資材が置かれています。その資材が、強風に煽られて飛来したり、高所から落下したりといった場合にも事故が発生します。

クレーンやショベルカーといった建設機材による落下事故も多発しています。例えば、ドラグショベルと呼ばれる掘削用機械で鉄板を吊り上げ中、フックから外れ下敷きとなる事故が発生しました。

重量物の飛来・落下は、重大事故に直結するため、十分な注意が必要です。

接触・激突

工事現場での作業には、重量物の移動や持ち上げるクレーンやブルドーザーなどの重機が欠かせません。その重機が作業員に接触・激突する事故も頻発しています。

具体的には、ドラグショベルが急旋回して吊り荷に打たれる事故や、ドラグショベルの作動範囲にいた作業者がバケットに激突する事故などです。たとえ些細な接触でも、その衝撃は大きいため、重大な事故に繋がります。

挟まれ・巻き込まれ

工事現場では、建設機材に作業員が挟まれたり、身体の一部が巻き込まれたりといった事故も発生しています。

インパクトドライバーの使用中に、手袋をはめた手がドリルに巻き込まれそうになった事例や、突然後退したダンプトラックと柱の間に作業員が挟まれる重大事故がありました。

交通事故

工事現場の事故は、道路上で発生するケースもあります。

実際に、道路舗装工事の作業箇所に、走行中の車が突っ込み、作業員らを跳ね飛ばす事故が発生しました。建設機材や資材を工事現場に輸送する際に、交通事故が発生する可能性も十分にあり得ます。

また、工事現場の安全を保つために交通整理を行っていた作業員が、トラックの死角にいたために、交通事故に巻き込まれた例もあります。

工事現場での事故発生を防ぐ方法

命を守るためにも、現場での作業をスムーズに進めるためにも、工事現場での事故は未然に防ぎたいものです。

では、具体的にどのような安全対策を実施すべきなのでしょうか。

工事現場での事故発生を防ぐ方法を6つ紹介します。

作業員の安全意識向上

工事現場で働く作業員の安全意識低下は、重大な事故に繋がる要因となります。そのため、工事現場での事故発生を防ぐためには、まず現場で働く作業員の安全意識を高めることが大切です。

定期的な安全講習を開催したり、事故事例を共有したりなど、作業員の安全意識の向上が図れる環境づくりを行いましょう。

危険箇所には注意喚起を促すステッカーを貼り、危険を見える化することも、作業員の安全意識を向上できます。

定期的な機器の点検

工事現場で使用する機器の定期点検も、事故防止に繋がります。

定期的に点検をしていない機器を使い続けると、故障や誤作動が発生する恐れがあります。作業員を巻き込む事故へと発展する可能性もあり、注意が必要です。

工事現場で使用する機器は、定期的に点検することで、部品の劣化や故障を早期発見できます。機器の最適な状態を保てると、誤作動のリスクが減り、事故防止に繋がります。

危険予知訓練の実施

事故や災害などを未然に防ぐためには、危険予知訓練の実施も有効です。

危険予知訓練とは、現場や作業工程に潜む危険とその原因を予測し、対策案を考える訓練です。危険、予知、訓練(トレーニング)の頭文字を取り、別名「KYT」とも呼ばれています。

危険予知訓練では、まず工事現場にどのような危険要因があるのかを見つけます。危険要因についての対応策を取り決め、作業員全員の共通認識とすることで、危険回避能力の向上が目指せます。

気象状況に応じた対策

屋外作業が多い工事現場では、気象状況に応じた対策も必要です。

例えば、台風や強風の際には、足場が倒壊する危険性が高まります。足場の補強や周りに貼ったメッシュシートを畳むといった事前対策を行うと、被害を最小限に抑えられます。

資材は、強風によって吹き飛ばされる恐れもあるため、立てかけてある資材は寝かせたり、安全な場所に移動させたりなど、飛散対策を行いましょう。

近年は異常気象が頻発しているため、日頃から気象情報を確認する習慣を身につけると良いでしょう。

高所作業時の対策

労働安全衛生法令では、高さ2メートル以上の場所で行う作業を高所作業とし、その作業場の床の端や開口部などには、原則として手すりや防護柵を設置することが定められています。

2022年1月に労働安全衛生法が改正され、高所作業時には墜落制止用器具の着用が義務化されました。

工事現場で多発している墜落や転倒の事故は、高所作業時に多発しています。作業環境に合わせ、手すりを設置したり、墜落制止用器具を着用したりなど、適切な対策を講じましょう。

自然災害対策

地震や津波、火山噴火などの自然災害は、いつどこで発生するのか予測不能です。だからこそ、常に備えておかなければなりません。

近年は、過去最大レベルの南海トラフ地震の発生が予測され、その切迫性が高まりつつあります。

自然災害の発生時に備え、工事現場の安全を常に確保し、被害拡大を防ぐために建設機材の転倒防止や工事箇所の崩壊防止なども行いましょう。

作業員の安全を確保するため、避難場所や避難経路の確保・確認も必要です。

安全対策におすすめの工事現場用品・グッズ

工事現場での事故防止には、工事現場用品やグッズの活用がお薦めです。

とはいえ、工事現場用品やグッズ安全対策は数多くあり、どの商品を導入すべきか悩んでいる方も多いでしょう。

ここでは、お薦めの工事現場用品やグッズを、作業員用と歩行者対策用にわけて紹介します。工事現場の環境や状況に応じて、必要な商品を導入しましょう。

作業員用グッズ

工事現場の安全対策におすすめの作業員用グッズは以下です。

・ヘルメット
・トランシーバー
・安全ベスト
・墜落制止用器具(ハーネス)

一つずつ解説します。

ヘルメット

墜落や転倒、崩壊、飛来、落下など、さまざまな危険がある工事現場では、頭部を守るヘルメットの着用が必須です。

飛来・落下物用や墜落時用といった使用区分やつばの有無など、作業内容にあったヘルメットを選びましょう。確実に頭を保護するためにも、労働安全衛生法に基づく「保護帽の規格」に適合したヘルメットを選ぶと安心です。

ただ、劣化したヘルメットでは十分な効果を発揮しない可能性があるため、耐用年数に応じた買い替えを推奨します。

トランシーバー

無線で受信・発信が可能なトランシーバーも、作業員用の安全対策に役立ちます。

工事現場では、重機や工具の音に声がかき消されてしまい、大きな声で会話をしても聞き取りづらい状況です。大切な連絡事項や現場監督からの指示などを聞き漏らしてしまっては、連携ミスから事故に発展しかねません。

トランシーバーなら、従業員の声を耳元で聞き取れるため、工事現場でもスムーズなコミュニケーションが図れます。

工事現場は粉塵が舞いやすく、水に濡れる可能性も高いため、防塵や防水性の高いトランシーバーがお薦めです。

安全ベスト

安全ベストとは、反射材が取り付けられたベストです。 反射材は、どのような方向から入射した光も光源に向かって反射するため、視認性が高まります。

夜間や暗い場所での作業は、作業員が安全ベストを着用することによって、存在を周知できます。遠くからでも作業員を見つけやすくなり、事故の予防が可能です。

日中の視認性向上を目指すのなら、蛍光色の生地を使用した安全ベストを選びましょう。

墜落制止用器具(ハーネス)

高所作業の安全対策には、墜落制止用器具が必須です。労働安全衛生法では、ハーネス型と胴ベルト型の2種類を墜落制止用器具として認めていますが、フルハーネス型を原則としています。

なぜなら、胴ベルト型の墜落制止用器具は、墜落時に内臓損傷や胸部圧迫などの危険性があり、実際に事故も発生しているからです。

ただし、地上からの高さが6.75m以下の場合は、胴ベルト型の使用も認められています。作業場所の高さによって、適切な墜落制止用器具を選びましょう。

歩行者対策用グッズ

工事現場にお薦めの歩行者対策用グッズは以下です。

・安全コーン
・工事用看板・のぼり
・安全柵
・LED指示バトン

一つずつ解説します。

安全コーン

安全コーンとは、工事現場や道路の規制や区分けする際に使用する円錐形の保安器具です。三角コーンやパイロンとも呼ばれています。

安全コーンは、工事現場内でも使用しますが、歩行者対策用グッズとしても有効です。

例えば、工事によってやむを得ず歩道を塞いでしまう場合、安全コーンを設置することで、歩行者が安全に通行できるスペースを確保できます。

夜間には、安全コーンが目に留まりやすいよう、点滅灯や反射板の併用がお薦めです。

工事用看板・のぼり

工事に伴い、歩行者に通行状況の変更を要する場合には、工事用看板やのぼりを設置し、視覚による情報伝達も有効です。

設置する工事看板は、歩行者が認識できなければ意味がありません。設置場所に応じたサイズを選び、歩行者の行動に合わせた要所要所に設置しましょう。

強風で看板が転倒したり、のぼりが飛ばされたりしないよう、気象状況への配慮も必要です。

安全柵

安全柵とは、工事現場を周囲から隔て、歩行者の安全を守るためのフェンスです。

安全柵の種類は数多く、平面型や伸縮型など、さまざまな形状があります。連結可能なものや任意の形に組み替えられるものなら、設置場所に合わせてアレンジが可能です。

素材は、頑丈な鉄製と軽量なプラスチック製が一般的です。プラスチック製の安全柵は、転倒防止のために重石が必要となる場合があります。

LED指示バトン

歩行者の誘導が必要となる場合には、LED指示バトンがあると、より安全な誘導が可能です。

LED指示バトンとは、LEDライトを使用した棒状の誘導灯です。紅白の手旗による誘導も可能ですが、LED指示バトンは明るく点灯するため、歩行者の視認性が高まります。

まとめ

事故発生リスクの高い工事現場では、いかに安全対策を行うかが重要です。作業員の安全意識向上や定期的な機器の点検などは、工事現場の事故防止に繋がります。

作業員や歩行者を守るための安全対策グッズも工事現場の事故防止に有効です。安全対策グッズは工事現場に最適なものを選ぶとともに、適切な方法で使用し、事故を未然に防ぎましょう。

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