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会社を運営していく中で、必ず諸々の「経費」がかかります。その経費を上手に削減することで利益向上に繋がるため、経費削減に力を入れている企業も多いでしょう。しかし、効果的な経費削減にはどのような方法があるのかお悩みの方もいるのではないでしょうか。
このコラムでは、経費削減を成功させるポイントや注意点などをご紹介します。
経費削減とは
経費削減とは、文字の通り「無駄な費用を削る」ことです。コストカットやコストダウンとも呼ばれます。
経費は利益と直結する重要な項目なため、経費削減を実行するには最終目標を定めた上でどのように削っていくかを決めるのが大切です。手軽に実行できる削減方法から大規模な業務改革を行う方法まで幅広い取り組みが考えられます。
経費削減に取り組むべき理由
不必要な経費を削減することで利益を向上させるのが大きな目的です。経費削減は企業の運営だけでなく、工夫によって従業員の業務効率化にも繋がります。
その他にも多くのメリットがあり、経費削減の取り組みは利益の向上において必要不可欠です。経費削減を行った場合に期待できる具体的な効果を解説します。
従業員のモチベーション向上に繋がる
経費削減のため業務を円滑にする仕組みを作ることは、結果的に従業員が働きやすい環境を整えることに繋がります。それにより生産性の向上が期待できるでしょう。
利益が向上した場合は従業員にボーナスなどで還元することもできるため、従業員のモチベーションが高まり好循環を生み出せます。
企業価値の向上が期待できる
削減した経費で新規事業の立ち上げなどに力を入れることで企業が成長し、より利益が出て企業の価値向上が期待できます。
また、企業価値向上を維持するためには企業が成長し続ける必要があります。そのためには削減した経費を社内の人材育成や、優秀な人材の確保に充てる方法があります。
顧客満足度の向上に繋がる
削減した経費で商品の品質向上や新商品の開発、新企画の立ち上げなどを行うことも可能です。それにより、顧客満足度の向上や新規顧客の確保にも繋がることが期待できます。
経費削減を進める際の流れ
経費削減を行う場合は、慎重に計画を立てる必要があります。効果的に進める際の流れを5つに分け解説します。
1.現状の経費を把握する
まずは、経費削減を進める準備として現在の経費の内訳を正確に把握しましょう。どの項目にどのくらい経費がかかっているのか、効果的な経費削減のためには細かいところまで確認する必要があります。
2.必要経費と削減可能な経費に分ける
次に、把握した経費のうちどの項目が削減可能か見直し、不必要な項目を洗い出しましょう。無理に削減すると、業務に支障が出る場合があるので注意が必要です。
例えば、商品製造に関わる部門での経費削減はサービスの低下に繋がる恐れがあります。他にも空調の温度設定や利用制限なども従業員のモチベーションを下げる可能性があるので注意しましょう。
3.経費削減効果を試算し、優先順位を決める
削減可能な項目が整理できたらどんな方法で削減するのか、どのくらいの削減効果があるのかなどを想定しましょう。削減項目ごとにしっかり確認するのが大切です。
その上で削減可能な項目の中から、大きな効果が見込める順に整理します。大きな効果が見込める項目から優先順位をつけて対応するようにしましょう。
4.目標と実施スケジュールを設定する
経費削減効果を試算できたら、経費削減効果を試算できたら実施する期間を設定します。実施まであまり期間を開けてしまうと、その分の経費がかかってしまうのでスピーディーに動くこともポイントです。
5.従業員に周知し実行する
最後に、目的、削減する項目、目標金額、期日、取り組み方などを全社で共有しましょう。従業員一人ひとりの取り組みが経費削減の成功に繋がるため、部署ごと・個人ごとで認識の違いが起きないよう正確に伝える必要があります。
中小企業が取り組むべき経費削減の例
では具体的にどのような削減の取り組みがあるのでしょうか。ここではいくつか例を挙げてご紹介します。
さらに詳しいアイデアが知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
効果的な経費削減のアイデア12選をご紹介!具体的な取り組み方と注意点も解説
事務経費・消耗品代の節約
消耗品の削減方法としてペーパーレス化の導入があります。印刷しなくても済むものはPDF出力などの電子データにすることで、コピー用紙の量を大幅に減らすことができます。さらに、膨大なファイルを収納する棚などのスペース削減にも役立ちます。
また、コピー機の順番待ちや用紙を補充する時間などが削減されるため従業員の作業効率向上も期待できます。ペンなどの消耗品は、在庫数によっては使いきれずに劣化したり在庫管理に手間がかかったりする場合があるため、必要な分だけを発注しましょう。
通信費・光熱費の節約
契約している電話・通信回線の見直しをしましょう。使用していない回線があった場合、解約やグレードを下げたプランに変更するだけでも経費削減効果が期待できます。
また、光熱費の節約として、LED照明の検討や空調の温度設定の見直しをすることもお薦めです。
通勤手当の見直し
テレワークを導入している企業の場合は、通勤手当の支給方法を定期券から実費清算にする方法もあります。その場合、就業規則の変更が必要な場合があるので注意しましょう。
システムの導入
総務担当者などが勤怠管理や給与計算などを行っている場合は、システムを導入することで作業時間の短縮に繋がります。導入コストがかかることの考慮も必要ですが、それ以上の業務効率化や経費削減に高い効果が期待できるでしょう。
オフィスの縮小・移転
テレワークを導入している企業の場合は、出社人数が減るためオフィスを縮小するのも効果的です。
また、郊外など賃料の低い地域に移転する場合は賃料の削減に、従業員が多く住む地域にサテライトオフィスを開設した場合は通勤費の削減にもなります。
経費削減を成功させるポイント
経費削減を実行するには入念に計画をたてる必要があります。ここでは経費削減を成功させるポイントをご紹介します。
削減しやすい部分から始める
経費削減を行う際はまず固定費を見直し、毎月の経費の中で削減可能な項目から削っていきましょう。その次に、消耗品や事務用品を見直すのがお薦めです。従業員の負担になりすぎないよう配慮することもポイントです。
大規模な経費削減は中長期的目線で取り組む
大幅な経費削減をしたい場合は、最終的に削減したい金額などを決めつつ、中長期的な目標も置いて1つずつクリアしていくようにします。取り組み方によってはチームを作るべき場合もあります。また、経費削減を成功させるためには企業全体に目標を浸透させることが大切でしょう。
経費削減で注意すべきポイント
削減項目は誤った項目を削減すると逆効果になる恐れがあるため、項目ごとに削減方法のシミュレーションが必要です。具体的に注意が必要な点をご説明します。
従業員のモチベーションが下がらないか
従業員の給与や福利厚生などを削減の対象にした場合、モチベーション低下の原因になるかもしれません。従業員にとって働きにくい環境が続いた場合、優秀な人材が流失する恐れがあります。
予防策として事前に聞き取りを行い、福利厚生の活用やオフィス環境の改善などは従業員のモチベーションを保てる範囲内での削減に留めましょう。
作業効率が下がらないか
光熱費の削減に取り組んだ場合、空調の温度によっては従業員の健康状態にも関係したり作業効率が低下したりする可能性があるため注意が必要です。
また、通信費の削減としてオフィス機器のスペックを落としたり、業務で使用するソフトを有料版から無料版にプラン変更したりといった削減方法は作業効率の低下を招きます。削減項目によっては従業員の声を取り入れるようにしましょう。
商品やサービスに影響がないか
人件費を削減した場合、人手不足から商品の検品やお客様対応が充分に対応できない場合があるかもしれません。
また、人手不足は従業員一人の業務量が増加するため、業務にミスが発生する可能性もあります。商品やサービスの品質低下は、長期的に見たらマイナスになる恐れがあります。商品・サービス品質の維持を前提に、業務工程の中で省ける箇所を見つけるなどしましょう。
自社の信用低下に繋がらないか
例えば削減方法として固定電話を解約した場合、顧客からの信用が低下する可能性があります。
解約する場合は段階を踏み、顧客に周知することが大切です。固定電話は社会的信用に繋がると感じている顧客もいるかもしれません。
また、広告を出している企業は安心感があり信頼できると感じる人が多く、広告費を削減することは企業の信用低下になりかねません。削減については慎重に判断しましょう。
まとめ
安定した会社運営をするために経費削減は必要不可欠ですが、従業員に負担をかけすぎないよう配慮が必要です。
また、削減によって業務効率低下や企業の信用低下に繋がる恐れもあるため、慎重に行いましょう。
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