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病院の待合室でなかなか診察に呼ばれず、待ちくたびれて疲れてしまった経験はありませんか?時間帯や曜日によっては、診察室よりも長い時間を待合室で過ごすこともあるでしょう。そのため、患者さんが待合室で快適に過ごせることは、良い病院である要素の1つと言えます。
今回のコラムでは、快適な待合室にするために、レイアウトのポイントや色使い等を詳しくご紹介します。
レイアウトの2つのポイント
待合室のレイアウトは、患者さんに快適な時間を過ごしてもらうために非常に重要です。では、快適なレイアウトにするためにはどうしたらいいのでしょうか。まずはレイアウトする際のポイントを2つ解説します。
患者さん同士の目線が合わないレイアウトにする
他の患者さんと目線が合わないようなレイアウトにすると良いでしょう。他の患者さんと頻繁に目が合ってしまうと、落ち着いて待合室で過ごせない可能性があります。目線が合わないように、ソファや椅子の背もたれ同士をくっつけて配置したり、向きを統一して配置したりすると良いでしょう。
ゾーン分けをして適した家具や用具を配置する
待合室内を、「テレビを見るゾーン」「本を読むゾーン」「子ども向けゾーン」「会計待ちゾーン」というように、おおまかにゾーン分けをすることも、レイアウトする際のポイントです。待合室は限られたスペースのため、家具やテレビをただ設置するだけでは患者さんにとって快適な待合室にはなりません。
テレビを見るゾーンではテレビが見やすい位置に椅子を配置し、本を読むゾーンでは患者さんが本を手に取りやすいよう、本棚のそばに椅子を配置します。会計待ちゾーンでは、会計で名前を呼ばれた時にスムーズに会計に進めるような動線を意識した椅子の配置が必要です。
また、子ども向けゾーンでは、子どもの好きな本やおもちゃを椅子の近くに置いておくと良いでしょう。さらに、キッズスペースとして靴を脱いで上がることのできるスペースを用意すると、診察を前に不安な気持ちを持つ子どもが安心して遊びに集中できます。
快適な待合室の3つのメリット
病院の待合室が快適になると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットである3つをご紹介します。
患者さんが待ち時間も退屈せず安心して過ごせる
病院では、予約をとっていてもその日の混雑状況によっては1時間以上待つこともあります。テレビやWi-Fi、自動販売機などの設備が整っていると、患者さんが退屈することなく過ごすことができるでしょう。
また、診察を前に不安を感じている患者さんも多くいるはずなので、気分転換できる設備は必要不可欠です。
満足度が上がり再来してもらいやすい
待合室でのストレスが軽減されると、患者さんの満足度が上がり、再来してもらえる可能性が高くなります。患者さんが最もストレスを感じるのは、待ち時間の長さです。待合室が快適であれば、多少待ち時間が長くてもストレスを感じることが少なく過ごせるでしょう。
良い口コミが増える
待合室での過ごし方が快適になると、病院に対して良いイメージを持ってもらうことができ、前向きな口コミが増えます。
インターネットが発達した現在は、病院に行く前にその病院の評判を前もって調べることが多くなりました。良い口コミが多いと、新規の患者さんが安心して来院しやすく、来院数の増加が見込めます。
色がもたらす心理効果とは
私たちの心理状態は、色の影響を受けることが多々あります。色によって興奮して行動力を駆り立てられたり、心が安らぎリラックスさせられたりすることは、誰もが経験したことがあるでしょう。
病院の待合室にいる患者さんは、診察を前に不安な気持ちを持つことがありますが、色の印象を使って緊張を和らげる効果が期待できます。色の印象はそれぞれの色ごとに異なります。そのため、病院に対して患者さんにどのようなイメージを持って欲しいのか、あるいは患者さんが病院に対して何を求めているかを意識した色合いを選ぶと良いでしょう。
快適な待合室にするための効果的な色の取り入れ方
これまで病院では、清潔な印象を与えるホワイトを基調とした内装が多くありました。ホワイトは汚れが目立ち、衛生管理が必要な医療機関と相性が良い色ではありますが、寒くて寂しい印象を与えるため、患者さんを緊張させてしまう色でもあります。
各色のメリットとデメリットを踏まえ、近年は内装の色を工夫した病院が増えてきています。実際の色にはどのような心理効果があるのかをご紹介します。
グリーン系
グリーン系は森などの自然をイメージしやすくなります。心身をリラックスさせ、親しみやすさや安心感を与えてくれる色です。緊張を和らげる効果もあり、介護施設や高齢者施設でよく使われています。
濃いグリーンは部屋のイメージを重くさせるため、淡い新緑をイメージさせる薄いグリーンが病院には適しているでしょう。
イエロー系
イエロー系は太陽をイメージさせるので、明るく、前向きに希望を持てる色です。病院の内装には、ワンポイントで使用するのがお薦めです。
ブルー系
ブルー系は、空や海などを連想させ、その広大なイメージが信頼感や開放感を与えてくれます。時間の経過を短く感じさせてくれるメリットがありますが、涼しげな色のため寒いイメージを与えることもあります。全体的に配色するよりは、ワンポイントとしての使用が良いでしょう。
ピンク系
ピンク系は可愛らしいイメージなので、優しさや幸福感を与えてくれる色です。小児科や産婦人科、レディースクリニックの内装に適しています。また、淡いピンクは緊張をほぐしリラックス効果があるため、病院の内装にはぴったりです。
ブラウン系
ブラウン系は木をイメージさせるため、温もりや温かみを与えてくれる色です。安心感やリラックス効果もあるため、緊張している患者さんの心をほぐしてくれるでしょう。明るいブラウンは優しい印象となり、濃いブラウンだとシックで落ち着いた印象となります。
ホワイト、グレー系などの無彩色
ホワイトは清潔感をイメージさせる色のため、病院ではよく使用される色です。他の色とも合わせやすく、違和感なく調和するでしょう。グレーは、ホワイトよりも落ち着いた印象を与えます。
無彩色だけを使うと、単調で寂しい印象を与えるため、他の色をワンポイントで組み合わせて使用すると良いでしょう。
快適な待合室にする7つのポイント
具体的に、快適な待合室にするために必要なものは何でしょうか。7つのポイントをご紹介します。
テレビを設置する
待ち時間を長く感じさせないために、暇つぶしのできるテレビを設置します。テレビを見ることで患者さんの緊張が緩和され、リラックスできることも大きなメリットです。音がうるさいと気になる人もいるため、音量は小さめにしておきましょう。無音で映像のみを流すのも一案です。
Wi-Fiを導入する
Wi-Fiを導入すると、待ち時間も快適に過ごすことができます。インターネットを利用することで、患者さんが自分の好きな動画やSNSを見ることができるため、満足度が上がるでしょう。
過ごしやすい室温と明るさをキープする
日当たりが悪く待合室内が暗いと、患者さんの気分が落ち込みやすくなるため、窓からの採光やライトで明るさを調節しましょう。大きな窓の場合、明るすぎたり、室内が暑くなりすぎたりすることがあります。ロールカーテンやブラインドで明るさを維持しながら適温を保つことがポイントです。
雑誌など本を設置する
雑誌や本を設置し、患者さんが退屈しないよう、快適に待合室で過ごしてもらいましょう。病院は幅広い年代の方が来院されるので、雑誌や本は一部の年代に好まれるものだけでなく、様々な種類を用意しておくことが大切です。
自動販売機やウォーターサーバーを設置する
待ち時間が長いと、喉が渇いたり、口寂しくなったりすることもあるでしょう。また、暑い時期には、熱中症対策のために水分は不可欠です。病院に行くだけの場合、飲み物を持参しない患者さんも多いため、自動販売機やウォーターサーバーの設置は有効です。
掃除を徹底する
待合室の掃除を徹底し、常に清潔さを維持することは必須です。ゴミが落ちていたり、ホコリがたまっていたりすると、病院の印象は悪くなります。雑誌やポスターなど、ボロボロのまま展示しているものはありませんか。定期的に見直すようにすると良いでしょう。
また、空気清浄機などを使用して、待合室内の空気を清潔に保つことも大切です。定期的な換気も忘れずに行いましょう。
観葉植物を置く
緑があると、リラックス効果も高く、待合室の雰囲気を穏やかにしてくれるでしょう。目に優しいため、眼科での使用がお薦めです。また、患者さん同士の目線が交わりそうな場所に観葉植物などを配置することも一案です。目線が遮られることで、患者さんが安心して待合室で過ごすことができます。
待合室を快適にする際の注意点
待合室を快適にするためには、初期費用がかかります。予め予算を決めて見積もりを取る準備をすると良いでしょう。仮に初期費用がかかったとしても、患者さんにとって快適な空間であれば、再来数や新患が増える可能性があります。
さらに、どれだけ設備投資をしても、全ての患者さんを満足させることは難しいです。患者さんが病院や待合室に何を求めているのか、事前にアンケートを取った上で改善策を図るのも良いでしょう。
まとめ
ほぼ全ての患者さんが利用する待合室は病院の顔と言っても過言ではなく、待合室の雰囲気が患者さんに与える影響は大きいです。待合室を快適にして、患者さんの満足度の高い病院を目指しましょう。
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