
目次
オフィス空間を仕切るためのパーティションは、さまざまな目的で設置されます。用途に合ったパーティションを導入すると、オフィス空間全体の使い勝手を向上させたり、作業効率をアップさせたりする効果も期待できます。
オフィス用パーティションの特徴や選び方、注意点などについて、具体的に解説します。
パーティション(間仕切り)とは?
パーティションとは、空間を仕切るために使われる間仕切りのこと。
オフィス物件の中には、広々とした空間を売りにするものも多いですが、「個室のように使える空間」があった方が便利な場面もあるでしょう。このような場合に、後付けで設置できるのがパーティションです。
パーティションを設置する主な目的は以下のとおりです。
・動線を分けたい
・視線を遮りたい
・防音空間を作りたい
・セキュリティを重視したい
オフィス内に比較的自由に設置できるパーティションであれば、オフィスをより理想的な空間へと近付けられます。
天井までの高さがあるオフィス用パーティションを設置するメリット
オフィス用パーティションにはさまざまな種類がありますが、人気が高いのは天井まであるタイプです。設置・施工に手間はかかるものの、単純に「置くだけ」のパーティションにはないメリットを実感できます。
天井までのパーティションを設置するメリットは、以下のとおりです。
視線を遮ることができる
天井まで高さがあるパーティションをオフィス内の一角に取り付ければ、周囲からの視線を遮断できます。周囲の目を気にせず対話ができる個室のような空間や、従業員のための着替えスペースを作ることもできるでしょう。
ロータイプの置き型パーティションの場合、パーティション上からの視線を遮ることはできません。天井までしっかりと視線を遮ることで、より安心して過ごせる空間を作れるはずです。
周囲からの視線の遮断は、集中力を高めるためにも効果的です。従業員の作業スペースにもお薦めです。
空間を仕切ることができる
だだっ広いオフィス空間を、動線を意識した機能的な作りにしたいときも、天井までのパーティションがあれば実現できます。
たとえば、入り口すぐの部分にパーティションを設置すると、お客様と従業員の動線の分離が可能です。オフィスの空間を複数に分けることで、無駄なスペースもなくなります。
天井までのパーティションで簡易的な壁ができると、そこを起点に収納計画も立てやすくなります。昨今は「解放感」を売りにしたシンプルなオフィスも増えていますが、一部空間だけをパーティションで仕切ることで、より居心地の良いオフィスに仕上げることもできます。
防音・遮音
天井までのパーティションは、防音性能の高さも魅力。個室を作って会議室にすれば、中で話す内容は周囲に漏れにくくなります。
低めのパーティションでも防音効果は期待できますが、天井までのタイプを選択することで、さらに効果は高まります。周囲に聞かれたくない話をする場面でも安心です。
またパーティションの外側で音を立てても、内側への影響は最小限に抑えられます。
個室を作れる
天井までのパーティションは、オフィス内の簡易的な壁としても使えます。オフィス空間の一角を囲むように設置すれば、個室のように使えるでしょう。
たとえば、取引相手との商談スペースや従業員のための休憩スペースのほか、多人数が集まる会議室にもなります。パーティションを設置する位置を工夫するだけで、空間を仕切るサイズも自由に設定可能です。
条件にぴったりの「個室」を備えたオフィスを探すのは、決して簡単ではありません。天井までのパーティションなら、条件に合わせて設置できます。
天井までの高さがあるパーティションの種類
天井まで高さがあるパーティションには、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解して、用途に合ったものを選択しましょう。
具体的にどのような種類があるのか、それぞれの特徴とともにわかりやすく解説します。
オープンタイプ
天井まで高さがあるパーティションの中で、天井と鴨居との間に設けられる欄間(らんま)部分が空いているものをオープンタイプと言います。
オフィス空間を効果的に区切りつつ、光や風の流れは遮りません。防音性能は劣るものの、視線を遮る効果は十分に期待できるでしょう。
パーティション上部が空いているため、区切った空間内に新たに空調機器を設置する必要はありません。また火災探知機やスプリンクラーにも影響しないため、消防関係の手続きや工事も楽になります。
クローズタイプ
オープンタイプとは違い、天井近くの欄間部分が閉じられているものをクローズタイプと言います。天井まで隙間を作らないことで、完全な個室空間を作り出せるパーティションタイプです。
オープンタイプよりも防音性に優れているため、重要な話をするための会議室や、役員室を作るためにも便利に使えます。従業員向けの更衣室や休憩室についても、クローズタイプを使うことでよりリラックスして過ごせる空間に仕上がります。
空調計画や消防関連などの手間はかかるものの、個室を得られるメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
開閉式
オフィス内に設置したあとも、自由に開け閉めできるのが開閉式です。
たとえば大型の荷物をオフィス内に搬入したいとき、パーティションが邪魔になってしまうケースは少なくありません。開閉式のパーティションなら、搬入時のみパーティションを開けることで、十分なスペースを確保できます。
普段はオフィスを大空間として使用しつつ、必要に応じて個室にしたい場合も開閉式が便利です。スライド式や折れ戸式といった種類があるため、どのような形で開閉したいのかを踏まえたうえで選択するのがお薦めです。
天井までの高さがあるパーティションを設置する際の注意点
天井まで高さがあるパーティションを設置するためには、置くだけで設置できるタイプとは違い、いくつかの注意点を守って行動する必要があります。オフィス内にパーティションを施工する段階で知っておくべき注意点を5つ紹介します。
オフィスのある階まで搬入できるか確認する
天井までのパーティションを設置する際に、まず問題になりやすいのが搬入です。
高さがあるパーティションは、施工前でも大型の荷物です。ビルの入り口からオフィス階までの動線によっては、運び入れられない可能性があります。
特に注意しなければならないのが、エレベーターのサイズです。エレベーターで運べるかどうか、購入前にしっかりと確認しておきましょう。
またサイズ的には問題がなくても、エレベーターでの搬入について独自の規定がある可能性も。養生の必要はあるのか、エレベーターが使用できない場合にどのような搬入方法を取れるのか、確かめておくことが大切です。
工事中に騒音が発生する
パーティションの設置工事は、オフィス内で行われます。細かなサイズ調整のためにパーティションをカットしたり、天井に固定用のビスを打ち付けたりと、騒音が発生するかもしれません。
ビルのオーナーや他のテナントに事情を説明しないまま工事を進めると、後々トラブルに発展する可能性があります。必ず事前に報告し、了承を得てから工事を進めるようにしてください。
オフィスによっては、他テナントへの影響を考慮して工事可能日時を指定しているケースもあります。こうした規定についても、あらかじめ確認が必要です。
空調や照明の位置に注意する
天井まで届くパーティション、特にクローズタイプを選択する場合に注意しなければならないのが、照明や空調です。パーティションで完全な個室を作り上げたとしても、内部に照明や空調機器がなければ、快適とは言えません。
使いやすい空間とするためには、もともとある照明や空調を意識してパーティションの設置位置を決定するのがお薦めです。既存の設備だけで対応できない場合は、パーティション設置とともに電気関係の工事も手配しておく必要があります。
賃貸の場合はオーナーや管理会社に確認する
天井まであるパーティションは、倒れないよう床や天井に固定して使います。ビスやアンカーで穴を開けるため、賃貸オフィスの場合オーナーもしくは管理会社への確認が必須です。
許可を得られない場合は、天井までのパーティションの設置はできません。「バレないだろう」と工事を進めてしまうと、退去時にトラブルになる可能性があります。
また問題なく許可が下りた場合も、退去時にはビスやアンカーで固定した部分の原状回復を求められます。その内容についても、事前に確認しておくと安心です。
消防法に基づく届け出が必要な場合も
天井まで届くパーティションでオフィス内に完全な個室空間を作る場合、空気の流れが遮られてしまいます。これにより、火災報知器や消火・排煙設備、災害時の非難動線の確保など、消防法で定められた条件を満たせなくなる恐れがあります。
法律面での問題をクリアするためには、パーティションで区切った個室内に必要な機器を取り付け、管轄消防署への届け出が必要になる可能性も。特にクローズタイプを設置する場合には、消防法の内容を確認したうえで、適切な対応が求められます。
天井までの高さがあるパーティションの選び方
天井まで高さがあるタイプのパーティションは、設置工事が必要です。そのため、そう簡単に買い替えられるアイテムではありません。
さまざまな種類がある中で、どのように選べば失敗しないのでしょうか。選び方のポイントを具体的に解説します。
デザイン・素材で選ぶ
天井までのパーティションには、さまざまな素材・デザインのものがあります。自身の希望をもとに、ぴったりなアイテムを選んでください。
石膏やグラスウール入りのスチールで作られたパーティションは、防音性や断熱性に優れています。しっかりとした壁のような雰囲気で、個室らしさを高めてくれるでしょう。
アルミ製のものを選べばコストを抑えられますし、ガラス製なら圧迫感を和らげ、おしゃれな雰囲気に仕上げられます。パーティションにはさまざまな色やデザインがあり、オフィスの雰囲気に合わせて選ぶのもお薦めです。
目的・タイプで選ぶ
オフィス内に天井までのパーティションを設置する目的はさまざまです。目的に合ったタイプを選択することで、失敗を防ぎやすくなります。
パーティション設置の主な目的別に、おすすめのタイプを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
重要なミーティング用のスペースを設ける場合
オフィス内で重要なミーティングができる個室を用意する場合、ポイントになるのが遮音性や視認性です。音や視線をしっかり防げる空間を用意することで、会議そのものもスムーズに進めやすくなるでしょう。
天井までのパーティションの中でも、スチール製のものは遮音性に優れています。アルミ製と比較して施工コストはアップしますが、高級感のある雰囲気は重役向け会議室としてもお薦めです。
情報漏洩を防ぐためにも、会議室としての箔をつけるためにも、ぴったりのアイテムです。
集中ブースを設置する場合
従業員の作業効率を高めるためには、集中できる個室ブースを用意するのもお薦めです。オフィスの一角に専用スペースを用意すれば、「一人で集中して仕事がしたい」「静かな場所でWeb会議に参加したい」といった希望を叶えられるでしょう。
集中ブースには、完全個室になるクローズタイプのほか、半個室スタイルのオープンタイプもあります。周囲からの声や音をどの程度遮断したいのかによっても、選択する種類や設置場所を変えるのがお薦めです。
セキュリティを高めたい場合
オフィス内に重要書類を保管できる場所がない場合、天井までのパーティションをうまく活用して、セキュリティを重視した個室空間を作るのがお薦めです。アルミ製やスチール製のクローズタイプで完全な個室を作り上げ、入り口部分はセキュリティ錠で管理しましょう。
オフィス空間から完全に切り離せば、従業員の入室管理は楽になります。セキュリティ錠の導入でいつ誰が入室したのか管理できる環境を作ることで、重要な機密書類も安心して保管できるようになります。
普段は収納しておく場合
オフィス空間にあまり余裕がない場合、固定式のパーティションで完全に個室化するのはお薦めできません。「ときどき会議スペースが必要になるが、普段は大空間として使いたい」という場合、可動式のパーティションを設置しましょう。
スライド式や折れ戸式のパーティションなら、状況に応じた組み換えや収納が可能です。場面に応じた仕切り方で、オフィス空間をより自由に活用できます。
普段は収納しておく場合、収納した際のサイズを確認しておきましょう。できるだけ邪魔にならないものを選ぶのがお薦めです。
まとめ
天井までのパーティションは、オフィスレイアウトにも深く関わります。うまく使えば、オフィスの使い勝手を向上させるだけではなく、全体をおしゃれに見せられます。
パーティションの種類や選び方に関する基礎知識を身に付けたうえで、より良いアイテムを選んでみてください。
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オフィス用パーティションの種類とは?設置の目的や用途別の選び方について解説
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