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現代社会に欠かせないビジネスツールのパソコン。毎日使う中で汚れや埃が気になるけれど、掃除方法が分からないとお手入れを諦めていませんか。
パソコンを快適な状態で使い続けるには、こまめな掃除が大切です。そこで今回は、主にデスクトップ型のパソコンを掃除するための手順や注意点について、詳しく解説します。汚れや埃を見過ごしてパソコンが動かなくなる前に、自分でできるところから掃除を始めてみましょう。
パソコンにつく汚れと掃除の頻度
パソコンの動作には発熱が伴います。実はこれが内部に埃を溜める原因です。熱が発生するとパソコンの内部にあるファンが作動して、熱を外に排出し快適な動作を持続させようとします。しかし、それと同時に空気中の埃を取り込んでしまうため、パソコン内部は埃がたまりやすい構造となっているのです。
また、常にデスクの上に置かれているディスプレイやキーボード、マウスも知らないうちに埃が溜まっていたり、手垢や食べかすなどが付着したりします。
頻度が定められている訳ではありませんが、毎日使うパソコンであれば月1回は簡単な掃除を行い、3か月に1回はしっかりと掃除するのがお薦めです。
掃除を怠ると起こる4つのトラブル
ここでは、掃除を長期間行わなかった場合に起こる4つのトラブルについて原因とその内容を具体的に解説します。
異音の発生
ある日突然パソコンから異音や動作音が聞こえてきた場合、その理由の一つにパソコン内部のCPUファンに埃が溜まっていることが考えられます。ファンに埃が溜まると動作に引っ掛かりが生じて異音を引き起こし、ひどい場合にはCPUファンが壊れかねません。
異音の原因は様々ですが、長期間掃除をしていないなど、思い当たる点があれば一度内部を確認してみましょう。
帯電
帯電とは、パソコンなどの物体にプラスまたはマイナスに偏った電気が溜まることを指しており、静電気を帯びている状態を意味しています。静電気はその性質から埃など空気中の異物を引き寄せ、その状態が長期に及ぶと動作の鈍化や誤作動にも繋がります。
放電するためには電源を切り、パソコンの状態をリフレッシュさせることが大切です。溜まった埃を除去する定期的な掃除により静電気の発生を抑えることで、長期間快適に使用できます。
熱暴走
大量なデータのやり取りや動画編集といった作業でパソコンが熱を持ち続けることにより、異音や起動・動作の遅延などの不具合が起きることを「熱暴走」と呼びます。
パソコンは熱に弱く、熱暴走が頻繁に起こると故障の原因になりかねません。熱暴走を起こさないためにも溜まった埃を取り除き、吸気と排気の循環が適切に行えるようメンテナンスしておきましょう。
トラッキング現象
トラッキング現象は、コンセントとプラグの間に溜まった埃が原因で起こる漏電や発火現象として知られていますが、実はパソコン内部でも起こる可能性があります。
梅雨の時期などに、パソコンに溜まった埃が湿気を含んでトラッキング現象を起こした場合、パーツが破損したり出火したりする危険性があります。配線が入り組んで埃が溜まりやすいパソコン周辺の掃除はもちろん、パソコン内部も定期的に掃除するよう心がけましょう。
パソコン掃除に欠かせないアイテムと事前準備
ここからはパソコンの具体的な掃除方法を解説します。まず始めにパソコン掃除にお薦めの道具と必要な事前準備についての紹介です。
<掃除に必要なアイテム>
◆ドライバー ・・・部品の取り外し
◆除電ブラシ ・・・キーボード等の掃除
◆タオル ・・・水拭き・空拭き
◆ピンセット ・・・埃の除去に使用
◆エアダスター ・・・内部の埃やキーボードの掃除
◆掃除機 ・・・外側のファン、ポート類の掃除
◆静電気防止手袋・・・人体とパソコンへの接触帯電の発生防止
掃除中は埃が舞うため、対処法としてマスクの着用、ブルーシートの上での作業、そして換気することをお薦めします。また、パソコンは必ず全ての電源を切りコンセントを抜いておきましょう。
部分別 掃除方法について
それでは早速、掃除方法を見ていきましょう。
掃除の際は静電気対策として、アクリルなど帯電しやすい素材の服を避け、静電気防止手袋を着用して作業します。パソコンの内部をさわる場合は、大きな金属に触れて静電気を逃がしておくなど万全の策を講じましょう。パソコンは精密機器のため、拭き掃除で力を入れすぎない事も大切です。
液晶ディスプレイ
液晶ディスプレイは研磨剤や硬い布を使用すると傷みやすく、また掃除中に細かいくずなどがディスプレイの隙間に入りこむと除去は困難です。液晶ディスプレイの掃除の際は、専用のクリーナーやクロスを使用しましょう。専用品を使うと拭き跡が残らないというメリットもあります。
液晶ディスプレイの掃除に必要なアイテム
エアダスター、除電ブラシ、掃除機、液晶ディスプレイ専用クリーナー、専用クロス
手順
はじめにブラシ類で液晶ディスプレイの埃を取ります。除電ブラシを使用すると、落とした埃の再付着を防止できます。ポートの中についた埃は、エアダスターまたは掃除機を使って優しく外へ飛ばしましょう。
次に、液晶ディスプレイ専用クリーナーをクロスにつけて拭き掃除をします。液状のものやスプレータイプを使用する場合は、ポートや排熱部から内部の基板へ液だれしないよう十分に気を付けましょう。
キーボード
キーボードの汚れを飛ばすなら、エアダスターが重宝します。エアダスターには不燃性、可燃性、逆さまにして使用できるタイプ、電動タイプなど様々なタイプがあります。細いノズル付きのものは、細かい隙間が多いキーボード掃除にピッタリです。
キーボードの掃除に必要なアイテム
エアダスター、タオル、キーリムーバー、中性洗剤
手順
埃や食べかすが溜まりがちなキーボードは、まずエアダスターやブラシで隙間の埃を取り除きます。縦と横の隙間に合わせて動かすことで効率的に掃除できます。その後、水を含ませたタオルを固く絞ってキートップを拭き、最後にしっかり乾拭きで水気を拭き取りましょう。
個々のキーを掃除したい場合は、取扱説明書に記載があれば取り外して掃除することも可能です。キーの配置を忘れないようキーボード全体の写真を撮ってから、キーリムーバーという工具を使って丁寧に取り外します。
柔らかい布に中性洗剤を薄めたものを含ませて、刻印に傷がつかないようにキーの汚れを優しく拭き取ります。その後、キーの方向を確かめて爪に引っ掛けるような形で元に戻します。
トラックパッド・マウス
トラックパッドとマウスの汚れは、手に触れる部分の汚れと、底面などに溜まる埃の2種類です。マウス底部やトラックパッドのセンサー部分は傷つきやすいため、力加減に気を付けて掃除を行いましょう。また、頻繁に手で触るトラックパッドやマウスは、見えない汚れやウイルスが常に付着しているため、こまめな拭き掃除で除菌することも大切です。
トラックパッド・マウスの掃除に必要なアイテム
ピンセット、エアダスター、除電ブラシ、OA専用クリーナー、柔らかい布、OA用除菌ウエットティッシュ
手順
はじめに、マウスの裏側に付いたカスなどがあればピンセットで優しく除去し、センサー部分に埃が溜まっていたらエアーダスターを使って飛ばします。手の当たる部分は布にクリーナーをなじませ、優しく拭きあげましょう。
トラックパッドの細かな埃は除電ブラシで優しく掃き出します。除菌タイプのOA専用ウエットティッシュを使って拭き、柔らかい布で水分を拭っておけば、いつも清潔に使用できます。
パソコン本体(外側)
次は、パソコンの本体(外側)の掃除方法です。普段手で触れることが少ない分、存在を忘れがちで気が付いたら埃が溜まっていた、ということが多い場所です。
電流が流れた状態での作業は危険を伴うため、必ずコンセントを抜き電源を切ったうえで作業を進めましょう。電源を切った後もしばらくは内部に電流が残っている場合があるので、プラグを抜いてからもしばらく時間を置くことをお薦めします。
パソコン本体(外側)の掃除に必要なアイテム
エアダスター、掃除機、OA専用クリーナー、柔らかい布
手順
掃除機で吸い取れる埃があれば、はじめに吸い取っておきます。その際、掃除機の先端が本体に当たって傷がつかないよう注意しましょう。パソコンの背面にあるコネクタや端子の周りに埃が溜まっていたらエアダスターで飛ばしておきます。
次にクリーナーをつけた布で、表面を優しく拭きます。こちらも液だれをして排熱部などの隙間からクリーナーが入らないよう気を付けて作業を行ってください。
パソコン本体(内部)
パソコン内部は精密機器を抱えており、静電気対策をはじめ最も扱いに気を付けて作業しなければならない場所です。部品故障の原因となる感電やショートを防ぐため電源ケーブルを外し、静電気防止用の手袋やリストバンドを必ず着用して作業しましょう。
溜まった埃が多い場合に思わぬ量の埃を吸い込みかねないため、マスクや眼鏡の着用がお薦めです。スプレー類の使用時は換気を忘れず作業を行います。
また、製品保証を確認しておくことも大切です。ねじを緩めてパソコンを解体してしまうと製品保証が効かなくなる場合があるので、保証期間や内容について予め確認し、取扱説明書を参考にしながら作業を開始しましょう。
パソコン本体(内側)の掃除に必要なアイテム
静電気防止手袋やリストバンド、ドライバー、エアダスター、ピンセット(または竹串)
手順
はじめに外せるケーブルがあれば本体から抜きます。その際、正しい配線がわかるよう写真を残しておきましょう。内部に残った電流がなくなるまでしばらく待ってから作業を始めます。
ドライバーでねじを緩めてカバーを取り外します。外したねじを失くさないよう箱に入れるなどして保管しましょう。
カバーが開いたら埃の状態を確認し、CPUファンを中心にエアダスターで埃を飛ばします。外側から当てると埃が中に入ってしまうため、内側から外側に向かって風を当てましょう。その際、基板に触れないよう注意が必要です。
内部の埃を全て取りたくなるかもしれませんが、パソコン内部は精密機器が集まっておりとてもデリケートです。奥に付いた埃が気になった時は、無理に触ってパーツを壊してしまう前にパソコンの修理業者などに相談しましょう。
内部の目立った埃を除去後、カバーを戻して完了です。
番外編 ノートパソコンの掃除について
ノートパソコンは熱がこもりやすく埃が溜まりやすい一方で、多くの場合は内部を掃除することが難しいため、表面の掃除を定期的に行うことと埃を溜めない工夫が大切です。
掃除に必要な物は上記で紹介した掃除アイテムと同じです。
OAクリーナーと薄めた中性洗剤以外の洗剤は故障の原因になるため使わないようにしましょう。薬剤を含む化学ぞうきんの類も同じ理由から使用してはいけません。バッテリーを外すことができないノートパソコンの掃除では、可燃性エアダスターを使用しないこともポイントです。
掃除の前は必ずパソコンをシャットダウンし、電源ケーブルを抜きます。次に、本体の端子についた周辺機器や付属品を外し、パソコンを閉じた状態で外側を固く絞ったタオルで拭きます。
通気口に埃が詰まっていた場合、ブラシでは中に埃が入り込んでしまうため、掃除機で吸い取ってください。液晶ディスプレイはタッチパネル搭載タイプなど皮脂がつきやすいため、OA専用のクリーナーやウエットティッシュで優しく拭き取りましょう。
マウスやキーボードの掃除は前述した通りです。キーボードを埃や汚れから守るには、キーボードカバーという商品もあります。キーボードのお手入れを簡単に済ませたい場合は取り入れてみましょう。
パソコン内部に埃を溜めない2つのテクニック
パソコンの掃除自体の頻度を減らす工夫として埃を溜めにくい環境作りも大切です。これから紹介する2つのテクニックを使えば、今よりさらに効果的に埃対策を行えます。
パソコンの設置場所を工夫する
パソコンを床に直置きしている場合、生活の動きの中で舞い上がる埃をパソコン内部に吸収しやすくなります。対策としてラックなどを利用してパソコンを床から離して設置すると、埃の吸引量を大きく減らせます。
もしパソコンを長期間使わない場合は、OA用のカバーもお薦めです。使用することで埃の侵入を防ぎ、帯電の可能性を減らすことができます。
吸気・排気口にフィルターを貼る
もう一つの埃を取り込まない工夫として、フィルターの貼付があります。吸気・排気口にフィルターを貼ると、内部の熱を排出しながらも埃の侵入を最小限に減らせます。
まずはフィルター、マスキングテープ、ハサミを準備しましょう。パソコンの吸排気口のサイズより一回り大きくフィルターを切ります。それを吸排気口にあててマスキングテープで貼り付ければ完成です。
内部に入る埃が減る分、フィルターには埃が溜まります。定期的な掃除の際に必ずフィルターの貼り替えも行いましょう。
まとめ
今回のコラムでは、パソコンの掃除頻度、掃除方法などを詳しく紹介してきました。年末の大掃除だけに頼らず、こまめな掃除と定期的なメンテナンスで大切なパソコンを守りながら、快適なオフィスライフを過ごしましょう。
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