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ルーティンワークとは?業務効率化のための手順や改善のためのポイントを解説

ルーティンワークとは?業務効率化のための手順や改善のためのポイントを解説

定期的に実施する作業・業務を、ルーティンワーク(ルーチン業務)と呼びます。企業を下支えする重要な業務であり、見直すことによって生産性や収益性の向上が見込めます。

しかし、一般的にルーティンワークは誰でも取り組めるようにマニュアル化されており、発生頻度が高いことから、業務効率については後回しにされやすいと言えます。

このコラムでは、ルーティンワークを効率化する方法をはじめ、押さえておくべきポイント、効率化を図る上で検討したいツールについてご紹介します。

ルーティンワーク(ルーチン業務)とは

ルーティン(routine)とは英語で日課を指し、発生頻度の高い業務を決まったやり方で繰り返し遂行することを、ルーティンワーク(ルーチン業務)と呼びます。

日常的に発生する業務をルーティン化することでルーティンワークとなります。

定期的に行うため、作業のやり方や順序が決められており、多くの場合マニュアル化されていることが多いでしょう。イレギュラー対応が少ないことや、業務が定型化されていることから、誰がやっても変わりないといった意味合いも含めて、ルーティンワークと呼ばれます。

ルーティンワークのメリット

ルーティンワークのメリットは、以下の4つが挙げられます。

1.業務の効率UP
2.マニュアル化の推進
3.クオリティーの確保
4.集中力の向上

繰り返し行う特性のあるルーティンワークは、毎日行うことで仕事の効率を高めることができます。また、イレギュラーが少ないためマニュアル化しやすいのも特徴の一つです。

結果、安定したクオリティーを確保することや、従業員の集中力を向上させることもできます。

ルーティンワークのデメリット

一方、デメリットとしては以下の3つが挙げられます。

1.モチベーションの低下
2.不必要な作業が含まれる可能性
3.目標設定しにくい

ルーティンワークはその名の通り、同じ作業を繰り返すという特徴があります。そのため、変化を好む人にとってはモチベーションの低下に繋がり易く、目標設定もし辛い点がデメリットと言えるでしょう。

また、ルーティン化によって業務が習慣化し、本来行う必要のない作業をずっと続けてしまうということもデメリットの一つです。

ルーティンワークによって業務効率化に繋がる業務

不要な作業を続けていたり、やらなくて良い業務が混在したりすることで、ルーティンワークは業務効率が下がる可能性があります。その内容を見直すことで、業務効率を高めることができます。

ここでは、ルーティンワークによって効率化できる業務をご紹介します。

書類作成

書類作成はどの企業でも発生頻度の高い業務ですが、ゼロから作り上げるのは時間や手間がかかります。

よく使用する物をテンプレート化し、変更が必要な箇所だけ編集する形にしておけば、従業員一人ひとりの品質を安定化させることができます。

社外に出す重要な帳票類や契約書などは、WordやGoogleスプレッドシートといったツールを活用すれば、校閲機能を駆使して誤字脱字を事前に防ぐことも可能です。

会議・ミーティング

会議はお互いの考えや意見を出し合ったり、決定事項を共有したりと、さまざまな目的で実施されます。そのため、ルーティン化は難しいと考えている方も多いのではないでしょうか。

例えばリモートワークによってZoomやGoogle meetなどのオンラインツールを駆使して実施することも、会議室の使用時間や移動時間を削減し、業務を効率化する方法の一つです。

予め議題や検討事項を共有し、目を通しておくよう事前に通知することで、さらなる効率化が期待できます。

名刺の管理

日本の文化とも言える名刺交換も、特に営業部署においてはルーティンワークの一つです。そして、名刺の管理は誰もが頭を悩ませているのではないでしょうか。このような名刺の管理もルーティン化によって、効率化が見込めます。

例えば、名刺管理アプリやツールを導入すれば、OCR※機能によって、必要な文字情報を自動で読み込み、データベースとして保存共有できます。このデータ化によって検索もし易くなるため、さらに業務効率化に繋がるでしょう。

Optical Character Reader(またはRecognition)の略。画像データのテキスト部分を認識し、文字データに変換する機能

経費精算

交通費などの経費精算は企業において、毎月発生する業務の一つです。領収書の管理や複雑な計算など、人為的ミスも起こりやすい業務の一つと言えるでしょう。このような経費精算業務も、クラウドサービスの導入で効率化が期待できます。

複雑な計算やミスを防ぐだけでなく、申請する従業員側の手間も軽減できるため、全社的に業務の効率化が図れるでしょう。

ルーティンワークがもたらす課題

メリットも多いルーティンワークですが、作業をルーティン化することによって担当者が自主的に考えないことによる課題点もあります。ここでは、ルーティンワークがもたらす課題をご紹介します。

不必要な作業に気が付きにくい

ルーティンワークは、同じような作業を繰り返す業務特性上、マニュアル化されていることが多いです。そのため、いま一度作業やマニュアル自体を見直す機会があまりないのが実情でしょう。

また、ルーティンワークは、ミスや不必要な作業に気が付きにくいという特徴もあります。自主的に考えたり作業したりといった要素を除外しているため、そもそも俯瞰的に業務をチェックする視点や感覚が鈍化する可能性も挙げられるでしょう。

例えば、新体制になっているのに古い形式で作り続けるなど、無駄な作業を継続する可能性もあります。

モチベーション低下に繋がる

従業員のモチベーション低下も重大な課題です。

ルーティンワークは自らが思考したり、創造したりといった事柄を可能な限り排除しているため、同じような作業を繰り返すことになります。

そのため、人によっては「やりがいがない」「つまらない」と感じ、仕事に対するモチベーションを低下させるかもしれません。

ルーティンワークを効率化する手順

自社におけるルーティンワークを見直したいけれど、なかなか思い通りに進まないという場合は、以下の手順を参考に行ってみましょう。一度自社の業務を見直す良い機会となるはずです。

ルーティンワークを問わず、業務効率化・生産性向上を目指している方はこちらの記事も参考にしてください。

業務効率化と生産性向上の違いとは?企業が取り組むべきポイントや注意点について解説

ルーティンワークを洗い出す

ルーティンワークと言っても、さまざまな種類があり、単純に解決できないものもあるでしょう。

まずは業務をルーティン化する前に、業務の棚卸しをしましょう。ルーティン化できるものできないものに分類し、整理を進めるためです。どのような業務が存在し、何が課題なのかを把握するために取り組みましょう。

作業フローや内容を整理する

続いて、ルーティン化ができそうな業務について、作業フローや業務内容を整理しましょう。具体的な作業を把握することで、無駄な作業や改善すべき点が見えてくるはずです。

このとき注目したいのは「なんとなくやっている」「ずっとやってきたから」と言った業務です。本当に必要なのか?効率的なのか?といった観点による整理で、無駄な業務が見えてくるでしょう。

ツール・システムを導入する

人的なミスが起こりやすいものや、複雑な作業が発生する業務については、ツールやシステムの導入を検討しましょう。

例えば、個別の計算が必要な交通費や交際費の計算などは会計ソフト、定期的に発生する会議についてはオンラインの会議システムを導入するなど、効率的に実施する方法がないかを模索しましょう。

アウトソーシングの活用を検討する

ルーティンワークを効率化する際は、コア業務を外注するのも有効です。例えば、定期的に発生する請求処理や契約周り帳票の発行といったコア業務は外注化の余地があるでしょう。

また、ルーティンワークの多くが単純作業という場合も少なくありません。マニュアルを整備して、誰もが対応できるよう効率化を図りましょう。

ルーティンワークを効率化するためのポイント

ルーティンワークの効率化を検討しているものの、どんな点に気をつければ良いか気になっている方へ、効率化におけるポイントをご紹介します。ポイントは「ノウハウの共有」「担当者視点」「定期的な実施」の3点です。

担当者のノウハウを共有する

ルーティンワークを効率化するためには、担当者が持つノウハウを相互に共有しましょう。

ルーティンワークと一口に言っても、属人化している見えない業務や留意点がある場合は往々にしてあります。特に、複雑な業務をルーティン化している場合は、担当者ごとにやり方が異なっている可能性も高いでしょう。

例えば、担当者が退職となった場合、既存のマニュアルが使えなかったり引継ぎが困難であったりといった問題も出てきます。

このような事態を防ぐためにも、各担当者による業務の進め方や留意点を共有し、同じフロー同じポイントをチェックしましょう。

担当者目線で作業しやすくする

ルーティンワークを見直す際は、実際に業務を行う担当者の視点で見直しましょう。

例えば、体制変更や引継ぎがある場合、直接影響を受けるのは担当者です。この点を無視してしまうと、少しの見直しや変更の際に、作業効率の低下やミスが起こる可能性があります。

そのため、どのような作業フローで行っているのか、どのような点に留意しているのかを確認し、担当者が進めやすい作業を考えましょう。

定期的に業務を見直す

定期的に業務を見直すことは、単調になりがちなルーティンワークの効率性を高める上で重要です。

特に、同じ担当者がずっと作業を続けていると、非効率な点や誤りがあっても気づくことが難しくなります。一度効率的になったと言っても、半年に一度は見直す機会を作り、定期的に業務が効率的か、不要な作業は含まれていないかといった観点でチェックしましょう。

このような定期的な見直しやミスのチェックには、従業員同士の会話や職場の風通しの良さがポイントです。普段から継続的にコミュニケーションを取り、会話を心掛けると良いでしょう。

まとめ

ルーティンワークは、発生頻度の高い業務を決まったやり方で行うことです。ルーティンワークには、書類作成や経費精算など重要なものが多くあり、企業を下支えする業務の一つです。

とはいえ業務が属人化してしまったり、同じ業務を続ける中で俯瞰的に課題を見つけられなくなったりといった点もあります。定期的に担当者目線で業務を見直したり、ノウハウを共有したりすることで、属人的にならないよう注意しましょう。

また、決まった時期に決まった物を購入する購買管理も、ルーティンワークの一つです。マイカタログやカート一時保存機能などの、決まったツールを導入すれば、ミスの減少や時間短縮に繋がります。

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